□■□ 古文翻訳装置取扱説明書 □■□ Ver 2.12     2007年10月24日

【 1 はじめに 】

  このたびは、このソフトを使おうと決意し、取扱説明書を開いてくださったこ
 とに深く感謝します。まず説明書の読み方ですが、メモ帳を画面いっぱいに表示
 していただくか、書式の右端で折り返すのチェックを外していただくと読みやす
 くなります。


【 2 概要 】

  文語体で書かれた文章を口語体に変換するべく開発されたソフトです。ただ、
 最初にお詫びを申し上げておけば、精度は非常に低いです。今後、さらに開発を
 進めていく所存でおります。長い目で見守ってやってください。

 ┌― 変換の例 ――――――――――――――――――――――――┐
 │[ 変換前 ]                        │
 │ ゆかしかりしかど、神に参るこそ本意なれと思ひて山までは見ず。│
 │[ 変換後 ]                        │
 │ 興味を引かれたけれども、神に参拝することは本当の心であると │
 │ 思って山までは見ない。                   │
 └―――――――――――――――――――――――――――――――┘

【 3 基本的な操作の説明 】

  レジストリなどはいじっておりませんので、適当な場所にフォルダごと移し
 ていただければ、パソコン内のお好きな場所にこのプログラムをおくことが出
 来ます。ただし、フォルダの中のファイルに関しては、改変しないでください。
 フォルダ内のアイコンをクリックしていただければ、ソフトが起動します。終
 了するときは、右上の×ボタンをクリックしてください。上のテキストボック
 スに翻訳したい文章を入力して翻訳ボタンをクリックすれば、下のテキストボ
 ックスに翻訳結果が表示されます。多少時間がかかりますが、気長に待ってや
 って下さい。また、右上にある簡易設定で、品詞分解を選択すれば、古文を品
 詞分解させることもできます。

【 4 機能 】

  入力された古文を、あらかじめ作成されている辞書と照らし合わせ、訳文を
 作成していきます。同音異義語でも、前後の文脈から判断し、ある程度は正確
 な翻訳をすることが出来ます。

 ○機能1 活用処理、音便処理、助動詞処理
 活用のある品詞、たとえば動詞や形容詞、助動詞などは、ほとんど全ての活
 用に対応しています。登録されている単語なら、未然形、連用形など、活用
 された状態で入力しても訳すことが出来ます。

 ┌― 変換の例 ――――――――――――――――――――――――┐
 │[ 変換前 ]                        │
 │ 思はず。思ひたり。思ふなり。思へど。思へよ。        │
 │[ 変換後 ]                        │
 │ 思わない。思っている。思うのである。思うけれども。思えよ。 │
 └―――――――――――――――――――――――――――――――┘

 ○機能2 「は」「を」「が」等を補う
 主語を表す「私は」などの「は」が省略されている文章でも、ある程度は機
 械的処理により、省略を補うことが出来ます。

 ┌― 変換の例 ――――――――――――――――――――――――┐
 │[ 変換前 ]                        │
 │ 大臣、渡りたまひて、「夜いたう更けぬ」と、         │
 │[ 変換後 ]                        │
 │ 大臣が、渡りなさって、「夜は激しく更けてしまう」と、    │
 └―――――――――――――――――――――――――――――――┘

 ○機能3 単位変換、カタカナひらがな変換
 カタカナと漢字で構成されている古文も、設定を変更することによって翻訳
 することが出来ます。また、古文中に出て来る単位を、現代の単位に変換す
 ることも出来ます。ちなみに昭和、平成などの年号も登録していますので、
 和暦から西暦への変換にも使用できます。また、平成19年、平成19年、平
 成一九年、平成十九年など、全角と半角、アラビア数字と漢数字の区別なく
 認識し、すべて全角のアラビア数字で訳出します。

 ┌― 変換の例 ――――――――――――――――――――――――┐
 │[ 変換前 ]                        │
 │ 我、思フ。ユヱニ我有リ。                  │
 │ 万延三年   弐千五百参拾壱里               │
 │[ 変換後 ]                        │
 │ 私は、思う。だから私はいる。                │
 │ 西暦1862年   9870.9キロメートル        │
 └―――――――――――――――――――――――――――――――┘

 ○機能4 訳語自動選択
 複数の意味がある古文単語を、前後の文脈から自然な形で現代語訳する機能
 です。

 ┌― 変換の例 ――――――――――――――――――――――――┐
 │[ 変換前 ]                        │
 │ おのづから怠り侍る。                    │
 │ 病怠りにけり。                       │
 │[ 変換後 ]                        │
 │ 自然と気がゆるむのでございます。              │
 │ 病気は治った。                       │
 └―――――――――――――――――――――――――――――――┘

[その他の機能]
 ○ 尊敬語、謙譲語、丁寧語などの識別。本動詞、補助動詞の識別。
 ○ 係り結びの処理(こそ+已然形、ぞ+連体形、など)
 ○ 副詞の呼応処理(え~ず、な~そ、など)
 ○ 使う辞書の選定
 ○ ユーザー辞書
 ○ 品詞分解機能

[翻訳結果に直接は反映しない機能]
 ○ 古文自動翻訳研究センターのホームページで公開される古文翻訳装置の
   最新版を、起動時にチェックする機能があります。個人情報は一切送信
   されませんのでご安心下さい。なお、この機能を無効にすることもでき
   ます。
 ○ 前回終了したときと同じ状態で次回は起動できます。設定からこの機能
   を無効にすることも出来ます。
 ○ 翻訳させた文章をテキストに時系列で整理して自動的に保存します。設
   定からこの機能を無効にすることも出来ます。また、今までの記録を消
   したいときは、このテキストを削除していただければ結構です。なお、
   テキストは約100キロバイトごとに自動的に分割されています。
 ○ 翻訳にかかる処理の重さを、翻訳にかかる時間を長くすることによって
   軽減できます。設定から変更してください。3段階で調整できます。

 その他の機能に関しての設定などは、設定ボタンから行えるようになってい
 ます。まずは、設定ボタンをクリックして、どのような機能があるか御覧下
 さい。

【 5 翻訳の際の注意 】

 ○ 翻訳された文章は、まだ開発中のため、ほとんどの場合正しい文章になり
   ません。最終的には自分の目で確かめてください。
 ○ なるべく漢字で入力しましょう。
 ○ 句読点「、。」を適度に入れましょう。
 ○ 歴史的仮名遣いで入力しましょう。
 ○ あまり長くなく、短くなく、適度な長さの文章を入力しましょう。
 ○ 未登録語はユーザー辞書に登録しましょう。
 ○ 処理がかなり重いので、実行中は極力他の作業を避けましょう。


【 6 免責事項 】

  このプログラムを作るときには、不具合が出ないように十分注意をして制作を
 したつもりです。しかし、どんな不具合がひそんでいるか分かりません。このプ
 ログラムを使用したことにより、古文がよく分からなくなった、パソコンがスト
 ライキを起こした、ストライキを起こしたパソコンを直そうと殴ったら完全に壊
 れた等、何らかの損害が発生しても、当方は一切関知しませんので、ご了承下さ
 い。

【 7 その他 】

  このソフトに関して、質問、要望などございましたら、メールにてお知らせ下
 さい。できる限りご要望に添えるよう努力いたします。また、古文自動翻訳研究
 センターのホームページにて、より詳しい使用方法を記した、オンラインヘルプ
 を公開しております。ご利用下さい。
  このソフトはプログラミング言語、HSP(http://hsp.tv/)により作成させていた
 だきました。また「ちょくとのページ(http://yokohama.cool.ne.jp/chokuto/)」
 の、hsgetmsg.dllを使用させていただきました。HSPの作者であるおにたま様、
 hsgetmsg.dllの作者であるちょくと様にはこの場を借りて厚く御礼申し上げます。

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 制作 古文自動翻訳研究センター  宮澤 慎司

 電子メール  k.honnyaku@gmail.com
 ホームページ http://honnyaku.okunohosomichi.net/

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